#421 日本専用であることをもっと強く謳うべきだと感じた、デリカD:5ディーゼル。

 ディーゼルエンジン搭載車が増えてきました。この流れ、個人的には大賛成です。で、年末にデリカD:5(以下デリカ)に追加されたディーゼルエンジンモデルに試乗してきました。まぁ、結論から言いますと狙ったとおりの仕上がりを見せており、買いと言い切れます。ただ、良い意味でマジメ過ぎるかなといった感と、フルモデルチェンジが待たれるという印象もありました。
 そもそも、このプラットフォームのポテンシャルは高いとあちこちで述べておりますが、それに加えて、このディーゼルエンジンが、そこに見合っています。そのフィーリングは、トルク変動が小さくてNAライクであり、ジェントルで、簡潔にいえば扱いやすい。実は、ヨーロッパ仕様のディーゼル(アウトランダー)をそのままに導入しておらず、日本での使用状況を考えてセッティングを変えています。理由は、ヨーロッパ仕様は高速域(日本の法定速度を大きく上回る)での走行を考慮しており、その分、日常での扱いやすさの面でマイナスがあるため。それゆえに、日本仕様はタービンの小型化をはじめとして、実用性を重視したセッティングとしています。数値上はディチューンされていますが、結果としてこのディチューン具合がとてもいい、すごくいい。もちろん、パワー面に不足を覚えないというレベルを手に入れながら。
 ですから、ヨーロッパ仕様そのままといわんばかりのCX-5と比較されると、勘違いされてしまう恐れがあるかなと。たとえば、高回転域でのパンチがないとか、さ。いやいや、削ったんだってば。というわけで、三菱自動車は、日本仕様に込めた想いをもっと強く表現したほうがいいんじゃないのかなと思ったのでした。つまりマジメ過ぎるのだと。
 そうそう、ディーゼルエンジン搭載にあたって重量増に合わせたダンパーセッティングにしていますが、狙った性能に近づけるためにリバウンドスプリング入りにしたそうで、シャシー剛性がすこぶる高くなっていました。これもまた好印象。ただし、ただしですね、あのですね、あれなんですよ、18インチタイヤの行き過ぎ感だけは残されたまま。路面が荒れると途端にゴツゴツが顔を出す。この点、同じプラットフォームを使っているアウトランダーが、フルモデルチェンジであのレベルにまで引き上げられていますから、デリカもモデルチェンジすれば……、云々。
 写真は、って、今回の試乗会はインタビューやらでバタバタしてて余裕なく、撮影したのはこのカットのみでした。レッドゾーンは4000回転から。でも、そこまで簡単に吹け上がってしまうんです。って、まだ違和感ありますけどね。

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