#647 あれだけのパフォーマンスで、この価格は安すぎる、ルノー・ルーテシアRS。

 ハイパフォーマンスなハッチバックモデルって、うちら世代にはたまらん魅力があります。あ、ハイパフォーマンスに限らないか、スポーツハッチとでも言ったほうがいいかな。自らは所有したことはありませんが過去にプジョー106S16は契約手前までいったことがありました。でも、買いませんでした。単純にその魅惑に目がくらみ、何も見えなくなって、で、目が覚めたというオチだったんですが。それにしても、最近のスポーツハッチバックは、ただ速いだけではなく、あれやこれや魅惑をもったモデルが多くなっています。プジョーの208XYなんて、いい例かもしれませんな。そう、208GTiではなくってね。
 本日、そんな1台であるルノーのルーテシアRS(ルノースポール)の試乗会に出かけてきました。これが、良かった。そもそも悪いわけないだろうと期待していましたが、試乗してみれば、すべてが想像以上。バケット形状なのに、ルノーらしい包み込むシートからはじまって、インテリアにおけるオレンジの使い方にやられた感を覚え、走らせてみれば、速いだけではなく、トルク感を全面に表現したエンジンフィールにもはやうっとり。旧型よりもしなやかさを得たシャシーはスタビリティを大きく引き上げてポテンシャルを高め、コーナーではグイグイとインを突き、グリップは相当に高く、アクセルを踏んでいっても、余裕といわんばかりのグリップを提供してくれます。といっても、たんにグリップさせているだけではなく、グリップ感を伝えてくるので、わずかに流しながらなんてドライビングも許してくれます。
 そう、バランスが絶妙な上に、速くて、質感も高い。操られている感覚はなく、ただ、ぼーっと速いなんて感覚もなく、とにかく愉しさにあふれている、まさに、ルノースポールならでは仕上がりとなっていました。いやはや。
 で、試乗を終えての第一声は、安い。あれだけのポテンシャルで、309万円(シャシーカップ)って、安い。安すぎる。ゴルフGTIも安いと思っていましたが、クラスが違うとはいえ、それ以上に安い(いい買い物って意味)と感じました。ちなみに、乗り心地については、ダンパーのおかげもあって、ハイパフォーマンスなシャシーカップでも突き上げもなく、ダイレクトな衝撃もなく、バタバタした動きもなく、自分レベルでは特に不満はないかと。メガーヌRSのシャシーカップなんかと比べると、乗り心地については世代が違うと思ってしまうほどでした。そして、今回、シャシースポール(299万円・写真左と下)もちゃんと残されておりまして、個人的にはこっちのほうがいいと感じました。なんていうんでしょうかね、シャシーの剛性感はそのままにしなやかさが強くあるとでも言いましょうか。それこそサーキットというステージを走らないならば、シャシースポールが断然にいいと思います。
 ちなみに、このモデルを日本に導入するにあたって、春先にルノースポールの面々が来日して、鈴鹿サーキットから箱根のワインディングまで日本のあちこちをテストドライブして、日本での路面に見合っているのはシャシースポールのほうだと、コメントを残して帰っていたそうです。やっぱり、そうか。だからといって、具体的に日本仕様チューニングを施したわけではなく、今後のルノースポールのチューニングに日本でのシーンも加味していく、そんな意味合いでの試乗だったようです。そう、これまでのテストフィールドはヨーロッパだけだったようで……。
 それにしても安い。今、自分の中では208XYとルーテシアRS(シャシースポール)がトップに並んでます。キャラクターは違うけども。あ、208GTiもポロGTIも、かすみました。ゴルフGTIやV40 R-Designすら。すみませぬ。

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