#958 行き過ぎていないスポーティ感にアドバンテージがある、ルーテシアGT。
1.2Lターボエンジンは、刺激は薄いものの、トルク感がしっかりと表現されていて、また、いざという時に、タコメーターを見ると、欲しいトルクがすっと出せる回転域をセレクトしています。それは、まさに、はいはい待っていましたよ、といわんばり。そんな、ルーテシアのスタンスに少々感激して、仲はさらに深まっていくという、なんともかんともなルノーテイストあふれるモデル。ただまぁ、パドルシフト操作後、わりと早めにDへと戻すあたりに、もうちっと待ってよ、と思うところはありますし、Dレンジであっても下り坂では回転をキープしたままだったりと、ドライバーの意思そのままではないところもありますが、それも味と捉えられるから不思議ですな。
スピード域は少々高めとなりますが、ワインディングでの愉しさは格別でして、クルマとの一体感という意味合いでは、さすがといわんばかりのルノースポールテイストを感じさせます。路面を捉えて離さないシャシーフィールと、そのしなやかさという表現の先にある、滑らかさに、もう、うっとり。走り込まないと顔を出しませんが、走り込むと簡単に見えてくるその作り込みの深さに、ひたすら感心しました。
あ、このGTには、エコモードがない代わりに、RSドライブという、レスポンスやらを引き上げるモードが付いています。これも、おもしろい。燃費は一気に悪化していくんですけどね。
燃費といえば、もはや燃費よりもフィーリングを優先したスタンスに、実は感心しました。いくらアクセルペダルを緩やかに踏もうとも、2000回転まで引っ張り、少しでも深く踏もうものなら3000回転まで引っ張るという、その考えは、もちろん不足ない加速を提供するため。その割り切りといいましょうか、その意地っぷりにも、らしさを感じ、共感したり。たぶん、キャラクターを立てるために必要なことって、こういうことだと思うんですね。優等生は、キャラクターになりにくいって、こととも言えますかね。ちなみに、フォルクスワーゲンの1.2Lターボは、十二分なトルクを出しながらも1500回転あたりですべてを済まそうとしますが……。こうなってくると、技術力って話になってくるんでしょうかね。
さて、結論。これが難しい。クルマとしては、とってもいい。ただ、ルーテシアRSと、プジョー208XYと、好みはどれなんだい? と訊かれたら……、選べないですな。1.2Lターボもいいんだけど、日常でのフィーリングを考えると、やっぱり、208XYかな。と思いつつ、写真を眺めていると、ルーテシアのこのリアビューもとってもいいわけでして。となると、RS? いやいや、GTでいいんじゃない。と、グルグルと回ります。次は、ルーテシアRSで、能登へ出かけましょうかね。