#1061 らしさにあふれ、バランスに長けていた、0.9LターボのルーテシアMT。

 本日、エンバーゴが解けましたので、書きましょうかね。というわけで、ルーテシア。ボトムモデルとして加わることになった、0.9Lターボ+5MTです。1.2Lターボで、すでに十分を越えた十二分を感じてはいましたから、300ccダウンであってもパワー不足は心配していませんでしたが、排気量ダウンによるフィーリングの悪化が心配でした。しかしですね、これがですね、とってもいい。もちろん、いわゆるターボラグは存在します。しますが、過給が十分に高まったところで発生するパワーとのつなぎをきれいに仕立てていましてね、それをラグとは感じさせない。そう、実にこの仕立てがきれいでして、という表現よりも、美しくて不足を感じさせない。いやー、秀逸。あ、カットビたる加速を期待しない場合の話です。でも、加速感は十分にあるんですけどね。
 そんな仕立ては、エンジンフィーリングだけではありませぬ。しなやかさにあふれるシャシーは、やはり16インチとの組み合わせのほうがルーテシアには見合っているやねを感じさせてくれますし、ハンドリングもスポーティさを意図的に感じさせるようなフィーリングにしていないところも含めて、とてもいい。やっぱり、仕立て、バランスがいい。そう、ルノーらしさが存分に表現されています。なんでしょうね、この仕立て方の上手さは……と、試乗中は、もはやうっとりするばかり。もちろん、5MTであることは、楽しさを導いてくれますしね。
 このモデルに対しては、走り以外にも気になっていたことがありました。それは、エンジンの排気量、価格としてはボトムに位置づけられるのに、どうして、真ん中グレードにあたるゼンとしたのか、ということ。これまでは、ボトムとして装備を割り切った仕様としてアクティフを設定していましたが、今回のMT登場をきっかけに消え去っています。って、訊いてみれば、やはり売れなかったため。とはいっても、リーズナブルという印象を与えるモデルとしては、200万円台かなり前半のプライスモデルは必要でして、このモデルを、エンジン0.9L、MTゆえの価格やすを生かしながら、装備を充実させています。つまり、価格はかつてのアクティフ、でも、装備はゼンとなったわけですな。なるほど、この戦略、とてもいいと思います。
 ちなみにですね、当初の売れ筋は、最上級グレードのインテンスとゼンでは、その8〜9割をインテンスが占めていたとのこと。これは、単純にエアコンがオートになるとか、17インチタイヤがいいとか、そういった理由よりも、サイドプロテクションモールにクロームのフィニッシャーが入るか、入らないかが実は大きかったようです。なるほど、それ分かります、とっても分かります。というわけで、左の写真は、そのインテンス。現行型ルーテシアのデザインの要は、ここにもありますから。ちなみに、今回追加となったMTのゼンでは、サイドプロテクションモールはインテンス仕様にしてありました。まぁ、そんな意味合いからも、不足は見当たらず、買いであることが見えてきますな。
 そういえば、丁度、1年前のこの時期でした、そのインテンスを借り出して、京都まで出かけたのは。そうですか、あれから1年ですか、早いもんですね。というわけで、今年の年末はルノーではなく、そして、そのままに房総へセロリを買いにも行かず。ちょっといつもと違う年末となっています。

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