#1250 しなやかで豊かで上品で……、ダイハツ・キャスト(走り編)。

 ダイハツのキャストの試乗会がありました。以前、書いたようにムーヴの……、って、あれ、書いたアーティクルが見当たらない、あれ、おや、消えたか? ま、いいや、コペン以降のダイハツの作り込みに、毎回、打ちのめされていますが……、って、今回もそうだろうなと思って、出掛けてみれば、打ちのめされて帰ってきました。いい。とてもいい。
 何がいいかって、個人的に高評価であるのは質感の作り込み方ですな。デザイン性やら装備やらもなんですが、もっといいますと、走りの質感の仕立て方がとてもいいと感じました。まず、シャシー。サスペンションがしなやかに、そして、豊かさを感じさせながら動く。訊けば、バンプラバーを活用しての乗り味ではありますが、ストロークさせながら、きれいにリバウンドを返してくる、その一連の動きにうっとりといった感じがあります。
 スタンダーモデルとなるスタイルのシャシーは、ムーヴのRSをベースにしており、って、スポーティさではなく、そもそもムーヴRSがもっていたフラットライド感がもたらす質感の高さがあります。ムーヴのところでも書きましたが……、って、見当たらないんですが……、15インチたる悪さが表に出てこない。つまり、タイヤの剛性を感じさせながらも、乗り心地における硬さを導き出していないんですね。まさに、天晴れといった感じです。コーナーではロールスピードが上品にコントロールされていて、美しさがあります。上手にではなくって、上品に。その上で、シャシーのグリップ感がバツグンにいいし、そこに懐の深さも感じる。ただですね、残念なことに、タイヤのグリップ感とグリップ力がそのシャシーに応えきれていないところがありまして、これが実に惜しい。まさに、シャシーの役不足を感じさせまして、これが、実に惜しい。あと、EPSはシーンよって操舵力に違和感を覚えさせるところがあって、この辺りは、まぁ、軽自動車に採用するユニットの限界を感じつつ、ここをもう少し整えると、もっと良くなるのにな、と感じたのも、また、事実だったりします。
 そして、クロスオーバーモデルであるアクティバですが、これがストローク感を生かした乗り味を作り上げていて、好印象。それはゆったり感がもたらす快適性があります。オフローダー的な緩さとオンローダー(copyright by yoshida naoshi)的な剛性感のいいとこどりともいえるもの。ただ、バランスという面ではセッティングに迷いが見られるのも、また事実。たとえば、ロールフィールは、スピードは良くコントロールされているのですが、ちょいとスタビの剛性感が強過ぎるような気がします。って、期待値と違うだけって話もあるんですが、個人的には荷重移動をもう少しだけ感じさせ、つまり、フロント外輪へのロールを許し、そこでグリップを強く感じさせるようなセッティングにすると、より楽しさが増すのではないかと思いました。ただ、まぁ、ロール量が大きいと判断されてしまうギリギリのところですから、広くに受け入れられるには、あれがベストかな、とも感じました。そう考えると、スタイルで作り上げていたバランスの良さのほうが、評価は高くなるかな、と。あと、16インチタイヤのケース剛性がちょっと気になったかな。高いんです。
 いずれにしても、基本性能に優れているがゆえに、気になったあれこれです。そうそう、やたらとノイズ、振動が抑え込まれていて、おや? と思ったのですが、資料を眺めても、特に対策について謳われておらず。で、開発者に訊いてみたところ、かなりの対策がされていました。ま、静かなことは、もはや当たり前ですから……、というわけで、趣味性や遊び心だけではなく、質感が作り込まれていること、そこにもキャストのアドバンテージを感じたのでした。
 あ、ぱっと読み返しただけで、誤字脱字がありますな。後日、ちょいと書き直します。

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